
ケモミミSF喫茶店ADV「けものティータイム」レビュー
2025年9月に Steam と Switch で発売された、経営SLGライクなケモミミSFアドベンチャーゲーム「けものティータイム」をレビューします。
作品概要
あっという間に世界中に広まったケモノウイルスによるパンデミックから1年。各国の行政機関は崩壊し、人口も減少して、各地方では非政府組織群郡「コミューン」が誕生していた。そんな状況の中、タルトとマカロンの姉妹は、コミューン「ラペット」に入植できることに。タルトは、マカロンのかねてからの「パティシエになる」夢を叶えるため、期間限定ではあるが喫茶店を開くことにする。これは、ラペットのケモミミたちに安らぎと癒しを与える場を作り、マカロンとの最期のひと時を笑顔で過ごしたいタルトが主人公となる、経営SLGライクなケモミミSFアドベンチャーゲーム。
登場人物
プレイアブルキャラクター「タルト」とその妹の「マカロン」を始め、作中の序盤で居候となる「キッシュ」と、彼女たちが運営する喫茶店のお客様として「マシュ」「クロテッド」「ジャム」「ギモーヴ」「ガレット」「ブリンツ」の計9名が登場する。
ゲーム本編
ゲーム本編は、店長のタルトとパティシエのマカロンの2人で、喫茶店を21日間(3週間)の期間限定で経営できる(ただし、本格的な経営シミュレーションという訳ではなく、ライトなシミュレーションである)。1日は、本日のお菓子を決めて開店し、営業中はお客様の接客対応や食材の仕入れ確認を行い、閉店後はマカロンや居候のキッシュと一杯を楽しんだり、就寝前に新聞の購読やラジオの視聴をする、という基本的な流れになる。
プレイ中の機能
本編プレイ中は「SAVE」「LOAD」「FOOD」「MATERIAL」「CHARACTER」「CONFIG」の6つの機能が使える。ただし、「SAVE」「LOAD」は、食材の仕入れ確認画面中のみ使用不可。
SAVE
プレイ中のゲーム本編のセーブデータを保存する機能を有する画面。セーブスロットは全部で50個ある(1つ目はオートセーブ用)。ちなみに、一度保存すると削除できない。
LOAD
セーブデータからゲーム本編のプレイを再開する機能を有する画面。スタート画面の「CONTINUE」からもアクセスできる。
FOOD
仕入れた食材や獲得した茶葉、提供できるようになったお菓子のレシピを確認できる画面。
MATERIAL
本編プレイ中に入手したゲーム世界内の情報を確認できる画面。一度でも解放した項目がゲーム全体で共有される仕様ではなく、最初から始める度に毎回未解放状態になる仕様である。
CHARACTER
登場人物の情報を確認できる画面。タルトとマカロン以外の7名については、MATERIAL と同様に最初から始める度にリセットされ、お客様として始めて来店した日に情報が追加される。
CONFIG
ゲームの設定を変更できる機能。別のセクションで後述するのでここでは割愛する。
メインパート
本日のお菓子
本日来店するお客様に提供するお菓子のレシピを選択する画面。決定した後に、提供するお菓子の看板を持ったマカロンのスチルカットイン演出が発生する。ちなみに、2日目以降もクッキーを選び続けた時だけ、タルトとマカロンの特別な会話が発生する。

ティーブレンド
「Tea leaf(茶葉)」「Herb(ハーブ)」「Other(その他)」のタブからそれぞれ選んでティーブレンドする画面。茶葉は一つしか選べないが、ハーブやその他は複数選択できるようになっている。「作成」ボタン押下後に、ティーブレンドのASMRを堪能でき、本当にお茶を作って貰っている気分を味わえる。

お客様への接客対応
お茶とお菓子を提供した後に接客する画面。この画面になった直後でお客様の反応から、タルトがドキッというアクションをした場合は、ティーブレンドに失敗している。その後は、お客様のつぶやきや、お客様同士の会話に対して、タルトかマカロンのどちらかに発言やリアクションさせる流れになる。時間切れで沈黙させられるが、特定の時以外は意味がない。

食材の仕入れ確認
タブレットを支払える限り、お菓子に必要な食材を何種類でも仕入れられる画面。営業最終日を除いて毎日1回のみ発生する。一度でも仕入れ確定した食材に関しては、翌日以降の仕入れのタイミングでもタブレットを追加で支払う必要はない。

営業終了後
営業終了後は、マカロンや居候のキッシュと、親睦や団らんを深めるパートになる。一部例外はあるが、大体の日では21時になるとキッシュから居候のお礼として、追加報酬をランダムで選ばれた3つの中から1つだけ貰える。茶葉やハーブはここでしか入手できないので、ストーリーを進めるうえで非常に重要。ちなみに、この追加報酬は最終日までプレイすると全品貰える仕様になっている。

おやすみ前
新聞の購読と、ラジオを持っている場合はラジオの視聴もできる画面。喫茶店の外が具体的に描写されることがない本作では、プレイヤーにとっての新聞やラジオは、世界の状況や様子を垣間見られる貴重なデータソースである。この画面で「おやすみ」ボタンを押すと、翌日に進む仕様である。
CONFIG
表示に関するシステム設定や各種音量設定、言語設定など、ロープライス帯ゲーム相応の最低限の設定が変更できるモード。ゲーム本編中からもアクセスできる画面。
マルチディスプレイ環境でサブディスプレイで全画面化したいのであれば、解像度をディスプレイと同じものにして、画面設定を「ボーダーレス」に変えるのがオススメ。他に1点注意するべきところとして、既読スキップ機能を「する」に設定した場合、本編プレイ中にクリックしてもスキップオフされなくなるので、「しない」のままにしておいたほうが良いだろう。
MUSIC
初期状態ではロックされているが、ストーリーが一度でも最終日まで進行したことがあればアンロックされる(エンディング未到達でも確認済み)クリア報酬モード。スタート画面では「MUSIC」と銘打っているが、音楽視聴だけではなく、喫茶店内に全てのキャラクターを配置させたり、時間帯や気候を変えたりすることもできるため、CG鑑賞モードの機能も兼ねている。BGMを聴きながら、作中のキャラクターに思いを馳せるのには、ちょうど良い機能だろう。
作品評定
評点
構成要素の個々の出来は素晴らしいにも関わらず、ゲームコンセプトが発散していることでジャンルが不明瞭になり、あと一歩というところで名作に成り損ねた、とても惜しい作品。
評点の内訳
| 項目 | 観点 | 点数 |
|---|---|---|
| コストパフォーマンス | 価格に対するお得感 | 17/20点 |
| ゲームバランス | 遊びやすさ・操作性 | 15/20点 |
| 世界観 | 独自性・没入感 | 20/20点 |
| ゲーム性 | 面白さ・満足感 | 15/20点 |
| 音楽 | BGMのマッチ具合 | 16/20点 |
コメント
コストパフォーマンス
経営SLGとADVの混合ジャンルが好きな人やポストアポカリプス的な世界観が好きな人には、ロープライス帯のため、かなりのお得感はある。ただし、経営SLGだけが好きな人、ADVだけが好きな人など、ジャンル単独で好きな人にはお得には感じないだろう。
ゲームバランス
操作はシンプルで分かりやすくて良い。一方で、遊びやすさという観点では中途半端。茶葉やハーブを自由に集めさせてくれなかったり、選択肢が時限式になっていたり、お茶を作る時に強制的にASMRを聞かせられたりと、何かとプレイヤーに強いることが多いため、ストレスを感じる作りになっていた。
世界観
抗えない脅威に対して主人公は無力な存在である、という終末ものの世界観でしっかりと作られていた。タルトとマカロンが、ストーリーの終幕へと近づくと共に、他キャラクターとの親交によって残酷な現実とより強く向き合わざるを得ないようになり、既に分かっている最期に進んでいく様子は、切ない気持ちが溢れて、涙なしでは見られないほど良い出来だった。
ゲーム性
トゥルーエンドまで到達できれば面白くは感じるが、それはあくまでシナリオの力によるものだろう。このゲームは、構成要素にばらして個々の作品として見れば出来はとても良いが、全体でまとめて見ると言いようのないちぐはぐさが目立つ。このちぐはぐさによる違和感をプレイ中に与え続けられるため、満足感を得るには至らなかった。
音楽
全体的にシーンに見合った音楽になっていたところは評価点。しかし、しんみり終わりたい気持ちで迎えるエンディングで流れる音楽が、この作品の世界観と空気感を台無しにしてしまったため、大幅減点。
関連リンク
作品購入
作品が気になったら、各プラットフォームから購入してプレイしてみてください。
Steam (PC)

My Nintendo Store (Switch/Switch2)

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全実績達成のための攻略ガイドケモミミSF喫茶店ADV「けものティータイム」レビュー
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