
論理パズルゲーム「Is This Seat Taken?」レビュー
2025年8月7日に Steam と Nintendo Switch で発売された、座席決めロジックパズルゲーム「Is This Seat Taken?」をレビューします。
作品概要
タクシーなどの乗り物や映画館などの部屋を舞台に、複雑な人間関係やこだわりを持ったキャラクター「フォルムン」たちから各々の要望を聞き、適切な座席に配置することで彼らから「いいね」を貰って、その総スコアを稼ぐ、欧米に実在する都市をモデルにしたロジックパズルゲーム。
メインメニュー画面
ゲーム起動に表示される画面。メニューは、メインコンテンツを遊ぶ「プレイ」、クレジット表記を確認できる「クレジット」、ゲームの各種設定を変更できる「せってい」、ゲームを終了する「やめる」の4つから構成されている。
プレイ画面
プレイ画面は、大きく分けて、マップとステージを選択できる画面、ステージプレイ画面、ステージ結果画面の3つで構成されている。
マップ・ステージ選択画面
プレイできるマップは、「バルセロナ(スペイン)」「ブリュッセル(ベルギー)」「ロンドン(イングランド)」「ニューヨーク(アメリカ)」の4都市で、計5つある(注:バルセロナのマップのみ2種類存在する)が、最初に選択できるのはバルセロナマップのみとなる。
それぞれのマップごとに6つのステージがあり、プレイヤーが最初から全てのステージを選ぶことはできず、左のステージからルートに沿って右へと順番に5つのステージをクリアする流れとなる。それらをクリアすると、6つ目の隠しステージと、次の都市のマップがアンロックされる(例:バルセロナマップをクリアするとブリュッセルマップが解放される)。

ステージプレイ画面
ステージ内では、会話パート・座席決めパート・評価パートの3種類を1セットにしたものが、4~5回(※注:初期バルセロナマップのみ3回)繰り返される。
会話パート
ステージによっては、座席決めパートの前後で、フォルムン同士での会話が行われるパートがある。このパートは、取ってつけた様な感じで、実質的にストーリーはあってないようなものなので、スキップしたところでプレイに差支えることはない。
座席決めパート
エリア外で待機しているフォルムンたちの要望を聞いて、彼ら全員を適切な座席に配置することが目的となるロジックパズルパート。詳しくは、「ゲーム仕様」セクションで解説する。
評価パート
フォルムンたち全員を座席に配置した後に「けってい」ボタンを押下すると、要望が叶ったフォルムンからは「いいね」を1つ貰える。この数の総計が、ステージで獲得したスコアとして扱われる。

ステージ結果画面
各セットの評価パートで稼いだスコアの集計結果が表示される画面。スコアが1ポイント以上であれば、ステージクリアとなる(ちなみに、どうしても要望が叶ってしまうフォルムンが1名以上いるため、おそらく0ポイントにすることはできない)。最大スコアを獲得していると、「Perfect」表示に変わる。

ゲーム仕様
体臭や香水などのにおいが苦手だったり、食べかすで汚くなった席が嫌だったりと神経質なフォルムンもいれば、友達と一緒に居たがったり、親と一緒に居たがったりする寂しがりやなフォルムンもいる。このように、とても個性豊かなキャラクターたちが、全てのマップに共通して登場する。
難易度
このゲームにおける難易度は、ユーザーが任意に選べる設計ではなく、マップごとに設定されている。一つ目のバルセロナマップが最も簡単で、ブリュッセルマップ、ロンドンマップ、ニューヨークマップと、新しいマップに進めば進むほど難易度が高くなる。
ステージ
基本的には、隠しステージなど特殊なステージを除いて、マップを跨いだ同じステージが2回登場する。
自動車
タクシーやバスなどの自動車にフォルムンたちを乗車させる最もベーシックなステージ。乗車済みのフォルムンたちが次の乗降場で全員下車せずに乗り続けるステージギミックがあるが、他と比べると癖のあるフォルムンが登場しないため、とても簡単なステージと言える。
飲食店
食べたり飲んだりしたいフォルムンたちに料理を提供するステージ。ステージ固有キャラとしては、咀嚼音を立てるフォルムンやクチャラー嫌いなフォルムン、連れ添いで飲み食いはしたくないフォルムンが登場する。ステージギミックは簡単で、クチャラーフォルムンにのみ気を付ければ楽勝。
教室
フォルムンたちの人間関係の面倒臭さや教師の大変さが垣間見えるステージ。他ステージと比べて、フォルムンたちの要望は多めだが、授業に集中できるように座席を決めて欲しいという教師からのお願い以外に難しい注文はないので、試行錯誤するほどではないだろう。
ライブ会場
ライブ会場に来たフォルムンたちを立ち席と座席に振り分けるステージ。ステージ固有キャラとしては、スピーカーの近くにいたいフォルムンや踊りたいフォルムン、踊りたくないフォルムンが登場する。複雑な条件を出すフォルムンはいないため、配置をよく考える必要があるだけで基本的には簡単。
フェリー
観光に来たフォルムンたちをフェリーに乗船させるステージ。ステージ固有キャラとしては、水に濡れたくないフォルムンやパーティ騒ぎしたいフォルムン、静かに観光したいフォルムンが登場する。千鳥配置な座席のため、どのように配置するかが悩みどころ。
鉄道
フォルムンたちと彼らの手荷物を鉄道に乗車させるステージ。彼らの要望を満たすために、ステージギミックのエアコンや座席の向きを上手く活用しなければ、パーフェクトスコアは難しい。
オフィス
オフィスに出勤してきたフォルムンたちの座席を確保するステージ。ステージ固有キャラとしては、支社マネージャのフォルムンやマネージャお気に入りの補佐フォルムン、仕事をしたくないフォルムンなどが登場する。フォルムンたちの人間関係に配慮すれば、それほど難しくはない。
空港ロビー
空港ロビーで待っているフォルムンたちを搭乗ゲート前に整列させるステージ。ステージ固有キャラとしては、スマホを充電したいフォルムンやVIPを持っているフォルムン、自分の前に誰も並んで欲しくないフォルムンが登場する。

映画館
映画館に来たフォルムンたちを座席に着席させるステージ。ステージ固有キャラとしては、ポップコーンを食べて席を汚して帰るフォルムンや感想を大声で喋るフォルムン、上映中にスマホを見るフォルムンが登場する。

スタジアム
サッカーの試合観戦に来たフォルムンたちの座席を確保するステージ。ステージ固有キャラとしては、ホームチームを応援するフォルムンや、ビジターチームを応援するフォルムン、横断幕を掲げるフォルムンなどが登場する。

クレジット画面
全ステージクリア時に自動で流れるエンディングでも同じ内容を見られる。マウスの左クリック長押しやキーボードの Enter キー長押しで早送りできる点以外は、特筆すべきところはない。
せってい画面
ロープライス帯ゲームにしては細かく設定できる。言語やディスプレイ表示に関する設定や、オーディオ設定、操作に関する設定を変更可能。デフォルトのままではオーディオボリュームの調整が雑なので、メインコンテンツのプレイ前に調整しておくことをオススメする。
作品評定
評点
一風変わったロジックパズルを手頃な価格で購入して、じっくりと時間をかけてプレイしたい人にオススメしたいゲーム。
評点の内訳
項目 | 観点 | 点数 |
---|---|---|
コストパフォーマンス | 価格に対するお得感 | 15/20点 |
ゲームバランス | 遊びやすさ・操作性 | 18/20点 |
世界観 | 独自性・没入感 | 16/20点 |
ゲーム性 | 面白さ・満足感 | 15/20点 |
音楽 | BGMのマッチ具合 | 14/20点 |
コメント
コストパフォーマンス
ロープライス帯のゲームとしては高品質ではあるが、実績を全て達成する以外には、やり込み要素やエンドコンテンツ要素がないため、お得感はそこそこ。
ゲームバランス
遊び方の説明がなくとも直感的に操作でき、時間制限もないためストレスフリーでとても良い。しかし、フォルムンが前後に被ると、操作性が悪くなってしまうのが惜しいところ。
世界観
特定の空間内にある席に誰をどのように配置するか、こだわりや要望、人間関係を考慮して座席決めをすることを、ロジックパズルとして落とし込み、上手く表現できている。
ゲーム性
ひとつのジャンルとして完成されたパズルゲームの楽しさに頼り切りで、時折挟まれるストーリーがそこまで面白くなく、それを削っても作品として成立している点が残念。
音楽
集中を乱すような派手なBGMはないため、パズルに集中できるところは良いが、もう少し力をいれて作っても良かったのではないか。
作品購入リンク
作品が気になったら、Steam (PC) または My Nintendo Store (Switch) から購入してプレイしてみてください。
Steam

My Nintendo Store

論理パズルゲーム「Is This Seat Taken?」レビュー
https://blog.chaotic-notes.com/articles/review-is-this-seat-taken/