天色*アイルノーツ 感想&評価 レビュー
みなさん、ちゃろー☆
ゆずソフトより2013年に発売された「天色*アイルノーツ Amairo Islenauts」をクリアしたので、作品の評価を感想付きでレビューします。
作品概要
あらすじ
日本がバブル景気に湧いていた頃、ある日突如として上空に現れた浮島『ライゼルグ』。魔石でエネルギー供給を賄い、エルフやセリアンスロープがいるファンタジーな光景が広がっていた。
それから、数十年の時が流れ、今に至る。教鞭を執っていた主人公 鷺ノ森 透 は、学生時代の恩師の紹介でその島にある『フェン・シクリッド女学院』に転勤することになった。教え子として、ライゼルグ生まれの真咲 ・ガイヤールやシャーリィ・ウォリックを始め、日本から留学してきた天霧 夕音、従妹の白鹿 愛莉と出会う。
今までとは違う不思議な場所の女の子ばかりの学園で、彼の新生活はどうなっていくのか?
教師と生徒の禁断のラブストーリーが始まる。
登場キャラクター
メインヒロイン
- シャーリィ・ウォリック(CV:北見 立花、原画:こぶいち)
- 天霧 夕音(CV:登代田 瀬良、原画:むりりん)
- 白鹿 愛莉(CV:夏野 こおり、原画:こぶいち)
- 真咲・ガイヤール(CV:桐谷 華、原画:むりりん)
サブヒロイン
- ティア・ホーエンヴェルフェン(CV:雪野 玉、原画:むりりん)
- 火宮 木乃香(CV:雪都 さお梨、原画:こぶいち)
各種スペック
システム
- ストーリープレイ画面
- セーブ・クイックセーブ、ロード・クイックロード、前・次の選択肢へ移動、オート、スキップ、一つ前のセリフに戻る、ウインドウ非表示、音声リピート、システム設定、バックログ
- エクストラモード
- CG鑑賞、BGM鑑賞、シーン鑑賞、ムービー鑑賞、立ち絵鑑賞
- システム設定
- 画面表示、ゲーム進行、テキスト、サウンド、ダイアログ、マウス、ショートカットキー
シナリオ
ヒロインの攻略完了ごとに、アフターストーリーがアンロックされる(シャーリィ・夕音・愛莉・真咲・ティア・木乃香で1話ずつ)。
- 共通ルート
- チャプター数:39(構成:1-1~7、2-1~5、3-1~9、4-1~6、5-1~8、6-1~4)
- シャーリィルート
- チャプター数:52(構成:7-1~5、8-1~6、9-1~9、10-1~4、11-1~6、12-1~9、13-1~8、14-1~4、エピローグ)
- 夕音ルート
- チャプター数:63(構成:7-1~9、8-1~6、9-1~9、10-1~9、11-1~6、12-1~8、13-1~6、14-1~9、エピローグ)
- 愛莉ルート
- チャプター数:53(構成:7-1~9、8-1~6、9-1~9、10-1~8、11-1~9、12-1~6、13-1~5、エピローグ)
- 真咲ルート
- チャプター数:67(構成:7-1~8、8-1~9、9-1~9、10-1~7、11-1~4、12-1~9、13-1~7、14-1~7、15-1~6、エピローグ)
- ティアルート
- チャプター数:26(構成:7-1~9、8-1~9、9-1~8)
- 木乃香ルート
- チャプター数:26(構成:7-1~5、8-1~5、9-1~9、10-1~7)
ムービー曲
- オープニング
- 「Blue-Love Chime」 歌:nao
- エンディング
- 「天色」 歌:あまいろ*カルテット(北見 立花・登代田 瀬良・夏野 こおり・桐谷 華)
※メインヒロインルートのみソロパートありバージョン
- 「天色」 歌:あまいろ*カルテット(北見 立花・登代田 瀬良・夏野 こおり・桐谷 華)
メインヒロイン評論
シャーリィ・ウォリック
オススメ度:★★★☆☆
性格や人柄
透が担任となるクラスの生徒であり、ライゼルグ生まれで行政トップである議会代表の兄を持つ。
「うりしゃり」名義で同人活動も行っており、その界隈では一角の人物。加えて、スランプの時に書いた絵がコンクールで入賞したというエピソードを持つ指折りの実力者でもある。
明朗快活な性格に、成績優秀で生活態度も問題ない。しかし、同人誌に良いネタを見つけると、ひとり妄想劇場を垂れ流すという悪癖の持ち主であるため、人を選ぶことは間違いない。とはいえ、共通ルートと個別ルートで彼女の気質が異なり、個別ルートで悪癖が出なくなるため、食わず嫌いせずに攻略してみると良いだろう。
個別ルートの感想
個別ルートは、彷徨人に関する話や、透のフェン・シクリッド女学院への転勤理由など、本作の重要な部分の情報を知れる。しかしながら、これらを彼女のルートで語る必要があったかについては、疑問を呈したい。なぜならば、彼女で無くても成立するからだ。ヒロインたるには、ストーリーを成立させる条件にならなければいけない。これはライターの力不足という要因が大きい。しかし、彼女はとても可愛いので、その点に関しては問題はない。だからこそ、勿体ないなと余計に感じてしまうのだろう。
天霧 夕音
オススメ度:★★★★☆
性格や人柄
透が担任となるクラスの生徒であり、日本からの留学生。
本人曰く、あまり裕福でない家庭で、幼い頃より家事を手伝っていたため、家事全般が得意。
ライゼルグへの留学を決意することになったとある出来事によって、誰かに必要とされることで自分の存在意義を見出したい、と思い詰めている。
そのため、留学してからは、お世話をするご主人様を探すことで、心の拠り所を作ろうとしていた。
面倒見が良く、物腰が柔らかくて所作が綺麗で上品でありながらも、透に対しては、泣き落とししたりからかったりと茶目っ気も見せており、小悪魔な大和撫子である。
個別ルートの感想
個別ルートは、透と出会ったことで逃げてきた過去の自分自身と向き合い、成長して乗り越えていくストーリーが丁寧に描写される。また、ストーリーの質が良いだけではなく、彼女自身も可愛く、各イベントシーンの変態度も高いため、どれをとっても非常に満足できる出来に仕上がっている。
見どころが多い彼女のイベントシーンの中から、ひとつだけおすすめを選ぶとしたら、おでん屋で透にあーんをしてたまごを食べさせるシーンであろう。このシーンには、彼女の魅力が詰め込まれている。本作における至高のシーンといって過言ではない。
白鹿 愛莉
オススメ度:★★★☆☆
性格や人柄
透が担任となるクラスの生徒であり、日本からの留学生で彼の従妹。
引っ込み思案の恥ずかしがり屋で、他人とコミュニケーションを取ることが苦手なうえ、勢い任せで生きているため、周囲が驚くような突拍子もない行動をすることがある。
口調を初め内面の子供っぽさや幼児体型であることを気にしており、改善しようと考えている。
幼少期から留学先で出会うまで長らく面識の無かった透に対して、素直になれずそっけない言葉や態度を取ってしまい、スマートフォン経由でしか気持ちを伝えられないほどで、彼女はコミュ障型ツンデレとも言えよう。
個別ルートの感想
個別ルートは、留学で目標を見失った彼女がやりたいことを見つけて、精神的に成長して素直になる様子が描かれる。
ストーリーの質は、夕音ルートに次いで高い。しかし、彼女がツンデレであることでデレるまでの尺が多く取られる都合上、他ヒロインと比べて可愛さや変態度は抑え気味である。そのため、火力は全体的に不足している。裏を返せば、控え目な甘さということになので、激甘が好きではない方には刺さるであろう。そんな意地っ張りな彼女が、素直になるシーンはとても感慨深い。是非ともエピローグが終わるまで見て欲しいヒロインである。
真咲・ガイヤール
オススメ度:★★★★☆
性格や人柄
透が担任となるクラスの生徒で、ライゼルグ生まれのセリアンスロープ。
彼が下宿先にしている『牙と爪の獣亭』は、彼女の父親が実家で営んでいる酒場兼宿屋であり、彼女はいつも手伝いをしており、酒場の看板娘となっている。ドーナツが大好きな美食家で、明るく気さくでフレンドリーな態度に、勉強が苦手こともあってか、天真爛漫な性格に初めは見えるだろう。しかし、堅忍不抜で老成した気質も持ち合わせている。
彼女は、メインヒロインの中で最も癖が少なく、正統派の可愛さを持っているため、誰から攻略するか困っている場合は、一人目におすすめしたい。
個別ルートの感想
個別ルートは、セリアンスロープの生態に関する話題を中心に展開され、何かの問題を透や彼女が解決するわけでもなく、彼女自身の成長が描かれるわけでもないため、ストーリーの中身は無いに等しい。ただし、キャラゲーとして見た時の完成度はとても高く、彼女の可愛さだけでエピローグまで完走することは充分に可能である。
彼女が、透に普通に告白しても振られるだけだと思い、想像の斜め上にぶっ飛んだ発言を放ったシーンは、印象に残る。このシーンは、マニアックな性癖を刺激する発言であろうから、グッとくる紳士淑女もいるだろう。
作品評定
評点
キャラゲーとして評価するなら、ヒロインの可愛さに関しては文句の付け所がなく、高得点。
ただし、ビジュアルノベルとしてであれば、ギリギリ及第点と言った感じで、いまひとつな作品である。
評点の内訳
採点基準は、このブログについてページをご覧ください。
カテゴリ | 項目 | 点数 |
---|---|---|
シナリオ | 世界観 | 6/10点 |
構成 | 6/10点 | |
演出 | 6/10点 | |
合計 | 18/30点 | |
グラフィック | クオリティ | 9/10点 |
ボリューム | 8/10点 | |
合計 | 17/20点 | |
キャラクター | 作り込み | 9/10点 |
ボイス | 10/10点 | |
合計 | 19/20点 | |
プレイ環境 | 音楽 | 9/10点 |
動画 | 8/10点 | |
システム | 7/10点 | |
合計 | 24/30点 |
コメント
シナリオ
いくつかの要因によって、ストーリーの完成度は非常に低い。
主人公の配役を教師にしたのは間違いであっただろう。いずれのメインヒロインの個別ルートにおいても、教師が生徒に手を出す形になる倫理的な問題は避けられず、説得力や落とし所を作るために、余計な尺を消費しているように見えた。また、アナザービューを多く使っていることで、ダラダラになりがちでヒロインサイドを想像する余地がなく、読み進めるうえで時折膨満感があった。そのうえ、「ライゼルグ」という設定をほぼ活かせていないこともダメ押しの一手になってしまった。
グラフィック
本作も変わらず、むりりん先生・こぶいち先生のCGとこもわた遙華先生のSDは、文句なしのクオリティである。しかし、ヒロインによってCGとSDの配分に偏りがあるのはよろしくない。特に、夕音はSDよりCGが多く、シャーリィはCGよりSDが多くといった感じであった。
キャラクター
変態度の高いヒロインが好きな人にはがっちりとハマる。ただし、個性が強烈すぎて癖が強すぎるため、客観的に見れば、作り込みがうまく出来たとは言い難い。
各ヒロインについての詳しい評論は、前述のメインヒロイン総評をご覧いただきたい。
音楽・動画・システム
OP「Blue-Love Chime」はとても良い曲であり、ED「天色」はとても可愛い曲である。ただし、ヒロインごとにED曲が用意されている次回作以降をプレイしていることもあってか、全ヒロインが同じED曲というのは面白みがなかった。
作品購入リンク
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※本作は、全年齢版がないため、Steam での配信はありません。
DMM R18版
天色*アイルノーツ 感想&評価 レビュー
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